お着物事例集 その3
- 5.羽織を道中着に仕立て替えたいのですが・・・。
- 基本的には、可能です。しかし、普通は羽織より道中着の丈の方が長いため、それに対応するだけの縫い込みが必要になります。また、羽織の衿が半幅使いで裁たれていると、道中着にお仕立てする際、衿の裏側の布が足りなくなり、別布が必要になります。
- 事例の場合は、洗い張りをして可能な限り丈を長くしてお仕立てしました。元は絞りの絵羽織でしたが、仕上がりもさほど違和感がなく、お客様にも喜んでいただけました。
- 6.もう着ない着物を、道中着かコートに仕立てたいのですが・・。
- お着物は、ほとんどの和服にお仕立てすることが可能です。この事例の場合は、道中着かコートのどちらにでもお仕立てすることはできます。しかし、 道中着の場合、ごく普通の衿のものと、お着物のように竪衿と別衿が付いた、通称「着物衿道中着」があります。
- 着物衿の場合は問題ありませんが、普通の衿の道中着にお仕立てした場合、衿丈が足りないため、衿に1カ所ハギが出ます。
- コートの場合は、ほとんど問題なくお仕立てすることが可能です。もちろん、シミや汚れ、縫い跡の筋などの問題はあるかも知れません。また、羽裏も必要になります。事例の場合、道中着か変わり衿コートをご希望され、結局、別布の不要な変わり衿コートをお仕立てしました。
国家検定・ 1級和裁技能士 |
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