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お着物事例集
その5
- 10.母親の振袖を、成人式に着たいと思っています。ところが、身丈、裄、身幅、いずれも寸法が合いません。なんとか、着ることはできますか。
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- 寸法に無理があると、一度ほどいてから、お仕立てした方が綺麗に、しかも安上がりになります。しかし、古いお着物の場合は、裁断済みで、しかも、布巾、丈に限度があります。
この事例の場合は、お嬢様が171cmと長身。しかも、30年以上前の振袖でしたので、丈の面で心配がありました。
- そこで、胴に別布を入れて、お仕立てすることに。洗い張りする際も、可能な限り、丈を出した仕上がりを目指しました。
- 実際の仕上がりは、4尺6寸、若干長さが足りなかったのですが、大変高価なお着物だったため、割り(足し布)を入れずに、この長さで仕上げました。
寸法直し仕立て直し
- 11.夫が、年齢的にも着物を着て、出かけてみたいと考えています。
そこで、タンスに眠っていた、大島の反物を出してみたのですが、着用するにはどうすればよいのでしょうか?
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- 反物だけではお着物になりません。男物の場合、袷にするには、通常、金巾と呼ばれる綿の裏地を付けます。もちろん、女物と同様に、八掛・胴裏という場合もありますし、正絹(しょうけん)の金巾もあります。
- 事例の場合、結城紬のアンサンブルだったので、羽織のお仕立ても必要になります。金巾も羽裏もお持ちだったのですが、裏地の巾が狭く(9寸6分)、身長175cmのご主人様の裄寸法には足りませんでした。そこで、金巾は、こちらでご用意し、羽裏は奥様が送られてきました。また、羽織の紐や、足袋、雪駄、長襦袢が必要であることを、お伝えし、お仕立ていたしました。
着物のお仕立て
- 12.母親の古い付け下げを着たいと考えています。しかし地色が白で、さらに年数が経っているのでかなり汚れています。染め替えて、もう一度着ることができますか?
- 汚れがある場合は綺麗に染まりませんので、基本的に、一度お着物の糸をほどいて洗い張りをします。
- また、染めに関しましても、全体に色をかける「目引き」という方法と、柄をそのまま残して白場の部分だけを染める方法などがあります。
- この事例の場合、柄だけを残して、地色を写真の様に染めました。胴裏も交換し、お仕立てすることで新品の様な仕上がりになりました。
染め直し着物のお手入れ
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